Rational Performance Tester活用ガイドの位置づけ
当ガイドは、Rational Performance Tester(以降、RPTと記述)のユーザー向けに、RPTを使用したパフォーマンス・テストを効果的に実施できるようなHints & Tipsをまとめた資料です。
全4回で構成されていますので、他の章も参考にしてください。
全4回
| タイトル |
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第1回 | 事前準備とテスト記録・生成 Hints & Tips編 |
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第2回 | テストスクリプトの編集 Hints & Tips編 |
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第3回 | スケジュールの作成と実行 Hints & Tips編 |
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第4回 | テスト結果(レポート)の確認 Hints & Tips編+FAQ |
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当ガイドは2011年1月時点の最新バージョンであるRPT v8.2を前提に記述しております。利用する環境やバージョンによっては、提供される機能や画面構成が異なる可能性がありますのでご注意ください。
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1. スケジュールの作成と確認
1.1. スケジュールの設計
1.1.1. 負荷の設定
スケジュールの機能を使用して、「仮想ユーザー数」「スループット(トランザクション)」「期間」などテストの負荷を設定します。
ユーザー数の指定は、「ユーザー・ロード」タブより行います。ユーザー数の指定や、ユーザー投入の間隔、テストの実行期間を指定出来ます。
スケジュール・エレメントの評価
もし、「1秒あたりxxトランザクションの負荷を発生させたい」という要件がある場合の制御方法は、以下のように考えます。
単位時間あたりのトランザクション量は、テスト対象サーバー側のパフォーマンスによっても影響を受ける値であるため、RPTの設定にて正確な値を指定し実行することは出来ません。従って、実際にテストを実行してみた上で負荷の量を調整しながら設定値を決めていく必要があります。
RPTのテストおよびスケジュールで設定できる項目は、「実行する仮想ユーザー数」「テストのページに含まれるThinkTime(考慮時間)」「(ループでテストを反復する場合)単位時間あたりにテストを実行する頻度」などです。ユーザー数を増やしたり、ThinkTimeを短くすると、単位時間あたりのトランザクション量が増加します。またループの反復率の設定を使用すると、一定の頻度でリクエストを送信することが出来るので、各ページの応答時間に大きく左右されず安定したトランザクションを指定しやすくなります。上記パラメーターを調整しながら何度かスケジュールを実行し、ちょうど良い負荷を発生させられる設定を見つけるようにします。
1.1.2. ユーザー・グループのグループ・サイズ
ユーザー・グループのグループ・サイズの指定には、「絶対」値と「パーセント」値の2種類があります。
「パーセント」指定の場合、合計のユーザー数が割り切れないときは、余ったユーザーがどのグループに割当てられるかは、RPTの内部ロジックに依存するため、明確に指定することが出来ません。割り当てるユーザー数が重要な要素である場合には「絶対」値で指定してください。
1.1.3. スケジュールの組み方
同じユーザー・グループ内のエレメントは、上から順にシーケンシャルに実行されます。
並列に実行させる場合には、ユーザー・グループを分けます。
上記のスケジュールの場合、
- ユーザー・グループ1のサンプル1とユーザー・グループ2のサンプル1は同時に実行
- ユーザー・グループ1では、サンプル1の完了後にサンプル・スクリプト1-3が開始
このスケジュールに「遅延」を追加し、「ユーザー・グループ1」と「ユーザー・グループ2」のサンプル1の実行をずらします。
上記の例では、
- ユーザー・グループ1のサンプル1開始5秒後にユーザー・グループ2のサンプル1が開始されます。
「遅延」の時間を調整することで、ユーザー・グループ1とユーザー・グループ2をシーケンシャルに実行するようにすることも可能です。
1.2. スケジュール作成
1.2.1. ユーザー・ステージ
段階的にユーザー数を増やしつつ、システムの限界となる負荷を特定していく機能です。
例えば、2ユーザーで1分間、次に5ユーザーにして1分間負荷を掛けたい場合は以下のように設定します。
(1) スケジュール・プロパティーの「ユーザー・ロード」タブで、表示された行を選択した状態で「編集」をクリック
(2) 「ユーザー・ステージ」画面にて、以下のように指定し「OK」をクリック
- ユーザー数に「2」
- ステージ期間で「指定した期間実行」を選択して、「1」「分」と指定
これで「2ユーザーで1分負荷をかける」という設定になります。
(3) スケジュールの「ユーザー・ロード」タブで、「追加」をクリック
(4) 「ユーザー・ステージ」画面にて、以下のように指定し「OK」をクリック
- ユーザー数に「5」
- ステージ期間で「指定した期間実行」を選択して、「1」「分」と指定
これで「5ユーザーで1分負荷をかける」という設定になります。
(5) 設定が完了すると「ユーザー・ロード」タブは以下のようになります。
これで、2ユーザーになってから1分間、次に5ユーザーになってからにして1分間テストを実施する、という設定になりました。
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