2012年5月10日木曜日

16.13. 下塗りフィルタ


16.13. 下塗りフィルタ

16.13.2. 差分ソリッドノイズ...

図16.280 差分ソリッドノイズ下塗りの例

コマンドは画像を雲のような不規則な範囲で変色させます。 フィルタが自動的に作成した新しいレイヤーに ソリッドノイズ 雲を描いてから元の画像に 差の絶対値 モードで統合します。

レイヤーを統合する前にこのスクリプトはソリッドノイズプラグインのダイアログを呼び出してフィルタ効果の調整を促します。

画像がインデックス化カラーの場合はメニュー項目が灰色無効となって使用できません。

フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより → → →

このスクリプトは独自のダイアログを持たないかわりに ソリッドノイズ フィルタのダイアログを利用しています。

図16.287 炎フィルタ下塗りの例

フィルタは不規則なフラクタル図形を自動生成しますが、 使ってみるとびっくりするような結果がでます。 IFS フラクタル フィルタのようなフラクタル図形の制御機能はありませんが、 方向を示しながら乱数発生器を操縦できますし、 いろいろなテーマからお好みの種類が選択できます。

警告

残念なことにこのフィルタは大きな画像では正しく作動しないことが知られていますが、 さらに残念なことにこのプラグインの作者は近年このプログラムの更新など一切の活動を止めていて、 公開サイトでもほんの手直しですら掲載されない状態が続いています。 ともかく適正な数値をお知らせしておきますと、 簡単なテストでは 1024×768 ピクセルの画像でプラグインは作動できますが 2500×2500 ピクセルの画像では失敗しました。

注記

このフィルタは 1997 年に Scott Draves 氏がGIMPに提供したプラグインです。 氏はこのプラグインの著作権者でもあります。 プラグインに関する説明を載せたページがインターネット上の作者のサイト [PLUGIN-FLAMES] にあります。

フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより → → →

図16.288 フィルタのオプション

主ウィンドウでは描画オプションビューオプションを設定します。 描画オプションの上の3つのパラメータは 明るさコントラストガンマ 値です。 これらのスライダを操作すると即座にプレビュー画面に設定内容が反映されます。 しかしこれらの値は手をつけずそのままにしておいて、 描かれた画像を後から 色メニュー のツールなどを利用して補正してゆくほうが良いでしょう。

あとの3つのパラメータは描画処理過程に影響しますがプレビュー画面に反映されません。 サンプル密度 は描かれるパターンの解像度を制御するためとりわけ重要です。 ビューオプションのパラメータはプレビュー画面の操作に関わるもので、 拡大 表示させるものやスクロールバーの代わりに表示位置を動かす XY のオフセット値がスライダで操作できます。 炎 (プロミネンス) フィルタの設定情報は名前を付けて保存できあとで繰り返し利用できます。

編集

編集 ボタンをクリックすると炎の詳細ダイアログが開く。

図16.289 炎の詳細ダイアログ

9 つの少しずつ異なる図柄が並んでいますが、 その中央が現在選択されているパターンです。 その周りの 8 つは中央の図柄の変種です。 中央の図柄をクリックすると 速度 パラメータに従って周囲の 8 つの変種が更新されます。 周囲の図柄はクリックすると選択され中央に移動します。 [同時に周囲 8 つの図柄も中央のパターンに基づいて更新されます。] 図柄には大まかに 30 種類のテーマがあり、 種類 の引き出しメニューから選べます。 また乱数化により生成される図柄は変化するので、 現在のパターンをクリックしても、 あるいは 乱数をリセット をクリックしても新たな図柄が得られます。

開く

開く ボタンをクリックするとファイル選択ダイアログが開かれ、 既に保存してある炎プラグインの設定情報がもしあれば選択して開くとその設定内容が再現できます。

保存

保存 ボタンをクリックするとファイルを保存するダイアログが開かれ、 現在のパラメータ設定情報を記録するファイルが作成できます。 このファイルは単純なASCIIテキストです。 この記録はあとで読み込めばパラメータの設定が再現できます。

描画オプション
明るさ

描かれる炎の明るさを調節するスライダです。

コントラスト

炎の暗い部分と明るい部分との間のコントラストを調節します。

ガンマ

中間的な明るさの部分に関わるガンマ補正を設定します。

サンプル密度

描かれるパターンの解像度を調節します。 プレビュー画面では何も反映しません。 サンプル密度を高くすると蜘蛛の巣のような柔らかく滑らかな描画になり、 サンプル密度を低くすると粒子雲か噴霧器でちりばめたような描画になります。

空間オーバーサンプル

What does this do?

空間フィルタ半径

What does this do?

カラーマップ

この引き出しリストでは炎のパターンに色付けするグラデーションやパレットをつぎのようなさまざまな素材から選べます。

  • ツールボックスに示されている現在のグラデーション。

  • 数種類の仕込み済みカラーマップ。

  • GIMPが現在開いている画像から抽出されるそれぞれのカラーパレット。

ビューオプション
Zoom

拡大 スライダはプレビュー画像の表示倍率を調節します。

X, Y

プレビュー画像のスクロールをします。

16.13.7. IFS フラクタル...

図16.290 IFSフラクタルフィルタの適用例

フラクタル図形を描くプラグインの一種である フィルタは実に魅力的です。 いろいろな用途に使えるこの器具にかかれば草木の葉も花も枝も含め有機的形状を自然な姿に描きだせるのでなんと樹木丸ごとでさえも作成できます。 IFSは Iterated Function System (反復関数系) の略です。

このプラグインを使うにはフラクタル空間に非常に小さく精密な運動を設計することが鉄則です。 成長後の姿は予見しづらく、 またパターンを変える際にはことのほか慎重に行なう必要があります。 基礎の三角形が大き過ぎたり移動がほんの少しでも大き過ぎたりすると、 プレビュー画面が何もない闇に変じるか、 もしくは微粒子だらけの形のない雲の中に迷い込むはめに陥ることがよくあります。

作り方のコツを紹介します。 成長させたいパターンを見付けたら、 小さな変化だけを加えるようにし、 そのパターンの変形[を探ること]のみに集中するようにします。 よく気をつけないと簡単においしいところを逃してしまいますよ。 これはといえるものを見付けるのは大変ですが、 反対にIFSフラクタルを使って草木の葉や樹木を作るのは全く簡単で、 おそらく今試しに使ってみてダイアログの画面に現れている定義ずみの幾何学図形のパターンを構築するよりも容易です。

簡潔にIFSのあらましを述べている本を紹介します。 コンピュータグラフィックス 理論と実践[FOLEY01] 著者は Foley 氏、 van Dam 氏その他、 第2版がおすすめですが第1版の日本語訳が出ています。

フィルタの呼び出し方


書かれたコミュニケーション·スキルに関する記事

画像ウィンドウのメニューより → → →

図16.291 IFS フラクタルフィルタのオプション

このプラグインの操作盤には編成作業の領域とプレビュー画像が左右に並び、 2枚重ねのタブがあり、 ダイアログのボタンが並んでいます。 初期設定では編成作業領域に3つの正三角形があり、 プレビュー画面には シェルピンスキの詰め込み と呼ばれる正三角形のフラクタル図形が現れているはずです。

ツールバー

つぎの機能を呼び出すにはツールバーボタンをクリックするか編成区画の脈絡メニューを開きます。

移動, 回転/拡大縮小, 延伸変形

マウスのポインタで行なう作業を選びます。

新規, 削除

フラクタル素片の追加と削除を行ないます。

Undo, やり直し

標準的機能

全要素選択

フラクタル素片を繋ぎ合わせ、 作業がすべてのフラクタルに及ぶようにします。

中心の再計算

フラクタル図形の中心を再計算します。 仕上りの見た目には何の変化も得られません。

描画オプション
最大メモリ

この値を増せば描画時間の短縮が図れます。 とりわけつぎに述べる スポット半径 を大きくして作業する場合に役立ちます。 初期値を倍加した 4096、 8192、 16384、 32768 …などの値を使うよう心掛けましょう。

繰り返し

フラクタルの自己反復回数を定めます。 非常に大きな画像に描く場合を除き、 繰り返し でも 細分化 でも高い値を設定する十分な理由がなければただ処理時間を多く費すだけに終わります。 値の範囲は 1 回から 10000000 回までです。

細分化

詳細に描き込む深度を調節します。 値の範囲は 1.00 から 10.00 までです。

スポット半径

画像を描き出すときに使う筆触の密度を定めます。 スポット半径 を小さくとると薄い粒子状の雲や噴霧器の飛沫のような感じになり、 逆にスポット半径を大きくとると水彩画ぽい感じの濃い単色ベタ塗りになります。 あまりスポット半径を大きくし過ぎると描画処理に多く時間を費すことになりますので注意しましょう。

空間変換

編成作業領域で現在選ばれているフラクタル素片に関する情報が示されていて、 それぞれの数値記入欄を使えばマウスポインタによる上記ツールを使った手動操作とは異なり値を直接設定する方法がとれます。 精密な操作はマウスでドラッグする変形では難しく、 このような数値指定が役立ちます。

X, Y, 拡大縮小, 角度, 剪断

いま選ばれているフラクタル素片の移動、 拡大縮小、 剪断を行ないます。

非対称

いま選ばれているフラクタル素片を引き伸ばします。

反転

いま選ばれているフラクタル素片を裏返しにします。

色変換
単純

現在選択されているフラクタル素片の色は初期状態ではツールボックスの色標識に示されている描画色ですが、 これをここで選んだ別の色で塗ります。

完全

単純な色変換としくみは同じですが、 こちらは色変換を3色の色チャンネルとアルファチャンネルごとに行ないます。 アルファチャンネルは灰色濃淡で表されています。

色相倍率, 明度倍率

フラクタル素片が多くあってそれぞれに違う色をつけていると、 それらの重なりから色の合成が起こります。 ですからたとえ純赤だけのフラクタル素片を設定していても場所によってはそれが青っぽくなったりまた他の場所では黄色が結構混じり込んでしまうことがありえます。 色相倍率明度倍率 は現在選択されているフラクタル素片の色の強さを定め、 またそれはつまり色が重なるときの影響の大きさを定めます。

その他
相対的確率

いま選択されているフラクタル素片の勢力や全体的な影響力を定めます。

このプラグインは割と複雑なので、 理解が進むよう葉と枝を描く例を挙げてご案内します。

多くの生命体の形、 なかでも植物の姿は数学的フラクタルという限りなく細かくなってゆく自己複製や自己反復の構造をしています。 葉や枝の姿は4つかそれ以上のフラクタル素片を使えば簡単に再現できます。 3つのフラクタル素片が葉の先端と両脇を、 4番目が葉柄を形作ります。

  1. このフィルタを呼び出す前に画像ウィンドウのメニューより (以下同じ) → と進んで空の画像を新規に作成します。 さらにそこに → で透明なレイヤーを追加します。 つぎに D を押して描画色を黒、 背景色を白に設定します。 これはツールボックスの色標識に示されます。

  2. このIFSフラクタルプラグインを開きます。 右の三角 変換 2 と下の三角 変換 3 を回転させて両方上に尖った向きにします。 現れるフラクタル図形がだんだん葉の先端と両脇のように見えてきます。 うまくいかないときは、 3つの三角形のいずれも頂点の向きが同じでないことに着目してください。


  3. 葉の形が対称形になるようにするには、 回転のとき下の三角形 (3) をわずかに左側に傾け、 右上の三角形 (2) をわずかに右に傾けるとよいでしょう。

  4. 追加 アイコンボタンをクリックして編成画面にもうひとつフラクタル素片を加えます。 これは葉柄を描くのに使いたいので長細くします。 延伸変形 アイコンボタンをクリックしてから4番目の三角形をドラッグで曳き延ばしましょう。 プレビュー画像がとんでもない形になるかもしれませんが、 伸縮機能 (回転/拡大縮小 アイコンボタン) を使えば長過ぎた三角形の調整も簡単ですから慌てないでください。 収まりよくするには位置や傾きの調整も必要になるかもしれません。


  5. まだもっと葉っぱぼくする作業が残っています。 葉の先端の三角形の大きさを増してよく繁った葉の雰囲気を出します。 どのフラクタル素片にも納得ができるまで加工したら、 全要素選択 のアイコンボタンをクリックします。 すると全部のフラクタル素片が選択され、 これで葉を全体的に回転/拡大縮小できるようになります。


  6. 最後の段階は色付けです。 色変換タブを開いて、 フラクタル素片ごとに色を設定してゆきます。 そこでまず 単純 を選択してその色だまりボタンをクリックします。 現れた色変更ダイアログで色を選んでください。


  7. OK ボタンをクリックして実行します。 如何ですか。 フラクタルによる完璧な葉のできあがりです。 もうコツはつかめたはずですから、 あとはいろいろ経験を積んであなた独自のデザインを生みだしてください。 ならやかしなどの樹木やシダ類や麦藁まで、 植物を模倣するフラクタルはいずれも一本の茎もしくは複数の茎に葉が茂る似たような構造に多かれ少なかれなっています。 つまり何か別のひねりを加えたりちょっと伸ばしたり曲げたり、 フラクタル素片をもう一つ二つ加えたりすればどんな形の植物も作れるようになるのです。

図16.306 回折模様フィルタの生成画像例2点

フィルタは波の回折現象や干渉現象のような模様素材を作成します。 波の振動輪郭明瞭端の色をRGBの各チャンネルごとに設定できます。 その他オプションタブでは模様の 明るさ散乱偏極 が設定できます。 プレビュー画面は自動更新をしないので、 最新の状態を反映させるには プレビュー ボタンをクリックしてください。 処理速度の遅いコンピュータをお使いのときは時間が少しかかるかもしれません。 ちなみに生成される画像は元の画像の内容に影響されません。

このフィルタは込み入った模様を生成するのにうってつけです。 陶酔的色使いのろうけつ染めの織物とかキリスト教会のステンドグラスのようなパターンを完璧に作成します。

このプラグインの処理過程は回折格子に光線を当てたときの物理現象を模倣しているだろうということは明らかなのですが、 残念なことに原作者がその理論背景を未だ公表していないばかりか各パラメータの意味についても説明していません。 ですから最良の使い方はもはやいろいろなパラメータをいじって何がどうなるか確かめてゆくという方法に限られます。 でも幸運なことにほとんど何をやっても面白い結果が得られるようです。

フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより → → →

図16.307 回折模様フィルタのオプション

16.13.11. グリッド...

図16.308 グリッドフィルタの適用例

フィルタは活性レイヤーに元から描かれている絵の上に、 格子線を描きます。 格子線の幅、 格子の間隔、 最初の交点の位置 (オフセット)、 線の色がこのダイアログでどれも設定できます。 初期状態ではツールボックスの色標識で示されている背景色が格子線の色に使われます。 ちなみにこのプラグインの成果画像は他のプラグインの説明に利用するために使われていました。

ティップ

線の幅を 0 にすると交点を示す小さな十字だけが描かれます。

フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより → → →

図16.309 グリッドフィルタのオプション

横線と縦線と交点を別々に調整するオプションが並んでいます。 初期状態では 水平垂直 の設定項目は互いに連結されていて、 すべての変更が対称的にゆきわたります。 どちらか一方だけ変更したい場合は、 両者を繋ぐのアイコンをクリックして解けた姿に替えてください。 交点 のパラメータの変更は結果がやや複雑になります。

数値を記入するオプションには長さの単位を変更できる引き出しメニューがそれぞれついています。

水平と垂直それぞれに格子線の幅を設定します。 交点については交差部分に付加される線の長さが変わります。

間隔

平行する格子線同士の間隔を設定します。 交点 の値は交点を井桁状に囲むように付加される線の内側の縁から格子線の中心までの距離です。

オフセット

画像の左上角を基準として格子線の最も左上の交点の座標を設定します。 交点に関しては交点を井桁状に囲むように付加される線の外側の縁から格子線の中心までの距離を示します。

色だまりボタン

これらの色ボタンはクリックすると色変更ダイアログが開かれ格子線や交点の周りに描かれる追加の線に別の色が選択できるようになっています。 ちなみに線の交わる部分の色は混じらず、 交点の付加線、 垂直線、 水平線の順位で優先して色が現れます。

図16.314 Qビストフィルタの適用例

フィルタはグラデーションの色を使った不規則な幾何学文様を生成します。

フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより → → →

図16.315 Qビストフィルタのオプション

Qビストフィルタは不規則な表質図を生成します。 最初の表質図はダイアログの中央に現れ、 その8つの派生形が周りをとり囲んでいます。 変容した画像からどれか気に入ったものを1つ選んでクリックすると、 その画像が中央に移動し、 中央の画像の派生型が生成され周りに置かれます。 この操作は繰り返し行なえますが、 使用したい表質図が現れたらそれをクリックしてから OK ボタンをクリックしてください。 選ばれた表質図は活性レイヤーに元からあったものを破棄してから置き換わります。

滑らかに

このオプションを有効にすると描かれる図形の輪郭がぎざぎざになるのを目立たなくするアンチエイリアス化処理が行なわれます。

Undo

作業履歴を一手ずつ遡ります。

開く, 保存

これらのボタンは今現れている表質図の処理上の情報を保存し、 あとで再利用する操作に使います。 一度見付けた良いパターンもこのダイアログでボタンを繰り返しクリックするだけで再び見つけ出すのはほとんど無理なので、 この機能は実に便利です。

図16.316 Sin 曲線フィルタの適用例

画像ウィンドウのメニューより → → →

フィルタは正弦曲線を基にした文様を作成し、 いくぶん波紋織の絹生地のように、 またベニヤ板な見え方になったりもします。 タブではこのプラグインが文様を描くのに使う相異なる2つの色を指定します。 この2色が正弦曲線を基にした波形パターンをつくります。

文様の拡大縮小が X と Y の方向にそれぞれ設定でき、 波が長くなったり短くなったりします。 また正弦関数を重ね合わせてより複雑にする程度も設定できます。 高い値にするとパターンにはより頻繁に干渉や反復が現れます。

図16.317 Sin 曲線フィルタのオプション (設定)

描画設定
X 拡大縮小, Y 拡大縮小

X は水平方向に、 Y は垂直方向に関連しています。 低い値にするといずれもその方向に文様が引き伸ばされ、 高い値にすると文様は圧縮されます。

複雑度

このスライダは2つの色が互いに影響しあう程度を調節します。 相互作用や反復の量といえます。

演算設定
乱数種

このオプションはフィルタの不規則なふるまいを制御します。 同じ乱数種を同じ条件下で使用するとフィルタは全く同じ結果を生みます。 乱数種が異なれば別の結果が出ます。 乱数種は数値記入欄から直接与えるほか、 新しい種 ボタンをクリックして無作為に発行させる方法もあります。

乱数化 オプションを有効にすると乱数種の記入欄は灰色無効となって手動設定ができなくなりますが、 フィルタを呼び出すたびに無作為に新たな乱数種が自動生成されます。 このオプションを無効にしておくと最後に使用された乱数種が記憶され再び同じ乱数種が使用しやすくなります。

強制的に並べる?

このオプションを有効にすると、 生成されるパターンはタイル化可能な文様になります。 例えばHTMLページの背景画像として使えば並べたとき継ぎ目が目立ちません。

典型, ゆがめる

これは使われる2つの色が互いに影響しあうときの処理を調整する付加的なオプションです。 ゆがめる を選んだ場合の2色間の相互作用は 典型 を選んだ場合に比べより歪んだものになります。


我々は値を教えることはできない
図16.318 Sin 曲線フィルタのオプション (色)

Colors

このタブでは文様を作るのに使われる2色を設定します。 白黒の画像にするか、 ツールボックスの色標識に示される現在の描画色と背景色で描くか、 もしくは2つの色だまりボタンでそれぞれ指定した色を使う方法があります。 アルファチャンネル スライダはそれぞれの色の不透明度を設定します。 フィルタを呼び出したレイヤーにアルファチャンネルがないときは、 どちらのスライダも灰色無効になり使用できません。

アルファチャンネル

これらのスライダはそれぞれの色の不透明度を設定します。 フィルタを呼び出したレイヤーにアルファチャンネルがないときは、 どちらのスライダも灰色無効になり使用できません。

図16.319 Sin 曲線フィルタのオプション (混色)

グラデーション

波形を生成する関数には 線形双線型波状 のいずれかを選びます。

指数

指数 スライダは2色のうちどちらがどの程度優勢となるかを設定します。 この値を -7.5 にするとタブで指定した色のうち、 白黒なら黒が、 描画色と背景色なら描画色が、 色だまりボタンでは右側の色が完全に画像を塗りつぶします。 逆にこの値を 7.5 とするともう一方の色が完全支配します。 値が 0.0 なら中立的になります。

図16.320 回路下塗りの例

コマンドは選択範囲 (もしくはアルファ域) に旧式の電子回路プリント基盤の裏面のようなすじを描くスクリプトです。 あとで適当なグラデーションのグラデーションマップをかけるともっと見栄えがよくなります。

ティップ

得られる効果については、 選択範囲を変な形にするとうまくゆくようです。 迷路のプログラムで選択範囲の扱いにある種の限界があるためです。

画像がインデックス化カラーの場合はメニュー項目が灰色無効となって使用できません。

注記

このフィルタはRGBモードで灰色濃淡の画像を作成します。

描かれる回路は元画像に描かれている内容に頓着しません。

フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより → →

図16.321 回路フィルタのオプション

油絵化マスクサイズ

このオプションで 油絵化 プラグインに渡す値を 3 ピクセルから 50 ピクセルの間で指定します。 大きな値にすると線が大きく揺らぎます。 17 がデフォルト値です。

回路種

乱数の種値を 1 から 3000000 の間で指定します。 デフォルト値は 3 です。

背景なし ([別レイヤーを生成する] を適用する場合のみ有効)

このオプションを有効にすると、 回路図の暗い画素に透明度が加わり穴となって下側のレイヤーが見えるようになります。 このオプションはデフォルトでは無効です。 レイヤーに分ける オプションも合わせて有効にする必要があります。

選択範囲を解除しない

選択範囲を活性化させたままスクリプトを呼び出してもこのオプションが有効なら選択範囲は消されません。 このオプションはデフォルトで有効になっています。

別レイヤーを生成する

このオプションを無効にしている場合は、 生成された回路図が活性レイヤーに上書きされます。 このオプションを有効 (デフォルト値) にすれば新たに設けられたレイヤーに回路図が描かれ元の画像は保たれます。

回路の効果が生まれるまで

このスクリプトはつぎの手順で処理をしています。

  1. まず始めに 5 ピクセル幅の壁と通路からなる 迷路 を深度優先アルゴリズムで描きます。 迷路の種は 回路種 の値を用います。

  2. この迷路図を 油絵化マスクサイズ の大きさのブラシで 油絵化 します。

  3. ソーベルアルゴリズムを用い、 ぼかすオプションを選びを 2.0 とした 輪郭抽出 をこの油絵化した迷路で行うと、 あたかも回路図のようなコントラストが高いうねった曲線の密集が描き出されます。

  4. 最後に、 この図に 脱色 を施すとRGBモードでの灰色濃淡に変化します。

16.13.17. フラクタルエクスプローラ...

図16.322 フラクタルエクスプローラフィルタの使用例

フィルタを使うとフラクタル図形と複数の色づかいで混沌寸前の絵を描けます。 しかし精密にフラクタルを構成できる IFS フラクタル フィルタとは異なり、 こちらのフィルタのフラクタルの扱い方は単純です。

フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより → →

図16.323 フラクタルエクスプローラ

フラクタルエクスプローラのウィンドウは 2 つの区画からできています。 左に拡大縮小表示ができるプレビューがあり、 右にパラメータプリセットの 3 つのタブに分けてまとめられた主オプションがあります。

プレビューを自動更新

お使いのコンピュータの処理速度が遅くてこまるときは プレビューを自動更新 オプションを無効にしましょう。 この場合にプレビューに最新の設定状態を反映させるには プレビューを更新 ボタンをクリックします。

プレビュー画面内で任意の場所をクリックして他の位置までドラッグすると矩形が現れ、 その範囲だけが拡大表示されます。

Zoom

サイズ変更 の 4 つのボタンは生成した図形を拡大・縮小するのに使います。 元に戻す ボタンは直前の大きさに戻します。 やり直す ボタンは元に戻した操作を 拡大縮小 ボタンを使わずに再び実行するために使います。

図16.324 フラクタルエクスプローラ

パラメータタブではフラクタル計算に関わるいろいろなオプション値の設定やフラクタルの種類の選択をします。

フラクタルのパラメータ

これらのスライダと付属する数値記入欄はフラクタル図形の展開や反復や外観について設定します。

左, 右, 選択オブジェクトを最前面に, 選択オブジェクトを最背面に

フラクタル図形の展開について水平方向の最小値 と最大値 、 垂直方向の最小値 と最大値 を設定します。 値の範囲はいずれも -3.0 から 3.0 までです。

繰り返し

ここではフラクタル図形がどんどん細かくなる反復パラメータを設定します。 値の範囲は 0.0 から 1000.0 までです。

CX, CY

これらのパラメータを水平方向 X と垂直方向 Y にそれぞれ調節するとフラクタル図形の外観が変化します。 ただしマンデルブロ集合かシエルピンスキを選んでいるときはこれらの項目は灰色無効となって操作できません。


開く, リセット, 保存

このボタンを使って現在のパラメータ設定値をファイルに保存したり、 それを読み込んで再び利用できるほか、 ここで行なった操作を破棄して元の状態に戻すこともできます。 保存場所は標準で個人用GIMPディレクトリ内の fractalexplorer フォルダです。 標準フォルダに保管した設定情報はプリセットタブの一覧表からも読み込めます。 それ以外の場所に保管したデータファイルは 開く ボタンをクリックすると現れるファイルブラウザで探してください。

フラクタルの種類

ここでは代表的なフラクタルからどれかひとつを選べます。 マンデルブロ集合ジュリア集合バーンスレイ の 3 変種、 スパイダーマンオーウォーラムダシエルピンスキ の 9 種類あります。

図16.325 フラクタルエクスプローラ

タブはフラクタル図形の色設定を行なうオプションからなります。

色数
色数

このスライダと付属の数値記入欄でフラクタル図形に使う色の数を 2 色から 8192 色の範囲で設定できます。 使われる色のパレットはこのタブの底部に表示されます。 またこれは実際にフラクタルで利用されているグラデーションも示しています。 この色は 色密度 オプションと 色関数 オプションで変更できます。 フラクタル図形の色はこのフィルタを呼び出した画像の色に全く無関係に選ばれています。 (つまり元画像が真っ白でもよいわけです。)

loglog スムージングを使用

このオプションを有効にすると曲げ効果が滑らかになります。

図16.326 Loglog スムージングの例

色密度
赤, 緑,

これら3つのスライダと付属の数値記入欄で色チャンネルごとに色の強さを設定できます。 値の範囲は 0.0 から 1.0 までです。

色関数

赤チャンネル緑チャンネル青チャンネル のそれぞれにおいて色の処理方法を選べます。

Sin

色あいは正弦関数に従って変化します。

Cos

色あいは余弦関数に従って変化します。

なし

色あいは一次関数に従って変化します。

反転

このオプションを有効にすると関数で得た値が反転されます。

カラーマップ

このオプションでは色の値の取得先にこのダイアログの設定と現在活性化しているグラデーションのどちらかを選べます。

上の設定に基づいて

色の値が 色密度 で設定したとおりになります。

アクティブなグラデーションを適用して

現在活性化しているグラデーションの色が使われるようになります。 他のグラデーションを使うにはグラデーションを表示しているボタンをクリックしてください。

図16.327 フラクタルエクスプローラ

この一覧表にはパラメータタブ内で 保存 したフラクタル図形の設定情報やGIMPに同梱されている 36 種類のプリセットデータが並んでいます。 どれでもひとつ任意にクリックして強調表示 (反転) させてから 適用 ボタンをクリックすれば設定情報が読み込め、 たたき台として利用できます。

更新 ボタンを使えば新たに保存したフラクタル図形の設定情報もこのリストに加えられますので、 GIMPを再起動する必要がありません。 削除 ボタンをクリックすると一覧表で選択されている項目が保存したファイルごと削除できます。 GIMP同梱のデータも一旦はこの一覧表から撤去できますが、 再びこのフィルタを呼び出すと自動的にこの表に復活します。

16.13.18. シェイプ (Gfig)...

図16.328 シェイプ (Gfig)フィルタの適用例

フィルタの実体は一介のツールといえます。 Gfig を使って幾何学図形を描き画像に追加できます。 機能満載で複雑ですがこの説明が理解の助けになれば本望です。

このプラグインを呼び出すと、 元の画像に新たなレイヤーが作成されその上にフィルタの成果が置かれます。 元のレイヤーの情報は損なわれず、 作業はすべてそのレイヤーで行なわれます。 [このオプションダイアログを閉じたあともそのレイヤーには制御点の情報が保持されます。 またこのようなレイヤーは画像に複数置けます。 このダイアログには独自の取り消し機能があり、 各ツールの操作が取り消せますが、 やり直しはできません。]

フィルタの呼び出し方

画像ウィンドウのメニューより → →

図16.329 シェイプ (Gfig)フィルタのオプション

実は主ウィンドウの左側を占めるプレビュー表示域 (水平と垂直の定規がついている区画) で図形を加工する作業を行ないます。

図形の加工や追加は、 Gfig の各ツール (Gfig のツールバー) を使い、 関連するオプション (Gfig の主ウィンドウ) を調節して行ないます。

Gfig の主ウィンドウ

オブジェクト詳細

XY 位置 にポインタの現在位置が表示されます。

ツールオプション

選択したツールに (角の数のような) オプションがあればここで変更できます。

ストローク描画

このオプションを有効にすると活性オブジェクトの線が彩色されます。 無効にすると活性オブジェクトの線が彩色されません。 色だまりボタンをクリックすると色変更ダイアログが現れ、 色を選択できます。 変更した色は直ちに活性オブジェクトに反映されます。 参照... ボタンをクリックすると彩色に用いるブラシを選択するダイアログが現れGIMPで利用できるすべてのブラシから任意の穂先が選べます。

塗りつぶし

塗りつぶしの方法は、 この引き出しリストから 、 、 、 、 、 のいずれかを選べます。 [塗りつぶしができるオブジェクトは矩形、 円形、 楕円形、 星型、 多角形に限られます。] またその選択により色だまりボタン、 パターン選択ボタン、 グラデーション選択ボタンのいずれかが適宜現れ、 クリックすると開かれるダイアログで他の色、 パターン、 グラデーションが選択できます。

グリッドの表示

このオプションを有効にするとプレビュー画面上にオブジェクト配置のめやすとなる格子線が表示されます。 ダイアログのメニューバーから → と辿るとグリッドダイアログが開かれます。 ここでは グリッドの間隔 スライダで格子の線分の長さを設定できます。 グリッドの種類 引き出しメニューから 、 、 のいずれかを選択できます。 グリッドの色 引き出しメニューでは格子線の表示色に 、 、 、 、 、 、 のいずれかを選べます。 グリッドの種類に を選んだときは、 極座標グリッドの分割数 と、 極座標グリッドの半径間隔 をそれぞれスライダで調節できます。

グリッドにスナップ

このオプションを有効にするとオブジェクトはグリッドに沿って配置がしやすくなります。

画像の表示

このオプションを有効にするとプレビュー画面には呼び出し元の画像が表示されるほか、 このフィルタで描いた図形も表示されます。



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photoshopで市松模様を描きたい - Yahoo!知恵袋

photoshopで市松模様を描きたいphotoshopで市松模様を描きたいのですがどう したら描けますか。 できたら四角の ... を倍にします。 レイヤーを複製、乗算。 ... これを 45度回転すると左から2番目の菱形の市松模様になります。選択ツールで ... read more

主線2

図4のわんこの絵が、左半分が白くて右半分が白と灰色の市松なのは、市松模様は 透明フィルムを表していて、透明フィルムの上から ... って、乗算は基本的に「不透明だっ た物を透明フィルムに透明絵の具でプリントした状態」にしてしまうので、図6のように 全部 ... read more

イラスタでイラストをかいています。1からパソコンで描くのは初めてなので ...

どうしたらいいですか? ... 透明なレイヤーは市松模様で表示されますので次回から透明 なレイヤーを使って描いてください。 ... 線画の上に 塗りのレイヤーを重ねて 描画モード を[乗算]にすればいいでしょうけど その前に 塗りの下地レイヤーを ... read more

底辺スレの豆知識 @ ウィキ - 加工関係

2011年2月11日 ... 986 いや、テクスチャの上に塗る場合の影だと乗算とかだから地の模様は塗りつぶさ れないが 987 なるほど。 .... 177 残念ながらフリー素材でもどれをどう使えば キャラが映えて 全体として見栄えがよくなるのかわからないのだw 爆死した絵っ .... 市松模様の作り方を昔お気に入りの人が講座出してたなぁと思い出した ... read more

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